大会長挨拶

日本デイケア学会第30回記念大会を仙台市で開催することになりました。大会のテーマは「デイケア・SDGs・取り組むべき課題」です。

障害者自立支援法が施行され、営利企業にも障害福祉サービスへの参入が認められ、各地に障害福祉サービスの事業所が開設され、医療サービスとしてのデイケアの存続が危ぶまれる状況が各地から報告されています。
そのような中で、持続可能なデイケアをいかにして構築していくのかが昨今問われています。

デイケアはSDGs^※の1.「すべての人に健康と福祉を（SDG3）」、　2.「働きがいも経済成長も（SDG8）」　、3.「人や国の不平等をなくそう（SDG10）」、　4.「質の高い教育をみんなに（SDG4）」、　5.「平和と公正をすべての人に（SDG16）」の達成に寄与しており、重要な役割を果たしております。

デイケアは、精神疾患を抱える人の治療とリハビリテーション（社会参加）、QOL（生活の質）向上を実現する医療サービスであり、重要なサポートシステムです。デイケアは、精神疾患を抱える人が自分らしく暮らし、社会的に包摂される仕組みを構築し、持続可能で包括的な社会の実現を目指しております。

本大会では、持続可能なデイケアを構築するために解決すべき諸課題について、シンポジウム、講演、演題発表などで議論を深め、デイケアの方向性を明確にしていきたいと思います。

2024年12月
日本デイケア学会第30回記念年次仙台大会

大会長 原　敬造

※SDGs(Sustainable Development Goals、持続可能な開発目標)
“2015年9月の国連サミットで加盟国の全会一致で採択された「持続可能な開発のための2030アジェンダ」に記載された、2030年までに持続可能でよりよい世界を目指す国際目標”です。